『百寿の想い』 ■そんぽの家 浜松高丘  K.M様 トップ記事
 K.M様は今年の9月で百寿を迎えられます。数え年では昨年に、敬老会でお祝いをしました。そんぽの家 浜松高丘には平成20年にご入居され、今年で8年となるK様とご家族様に100歳を迎えられるご感想をインタビューさせていただきました。
 
スタッフ:100歳になられた今のお気持ちはいかがですか?
K様   :「100歳?私が?あらそう、もうそんなになるのね」
 
スタッフ:今までの人生を振り返ってみていかがですか?
K様   :「そうですねぇ、無難にきたもんですから。あの人がこう、この人がこうと言うと突っかかりが起きるでし
             ょう?わりあい素直に、気楽にきちゃったもんですから。
 
スタッフ:今まで生きて来られて苦労されたことはありましたか?
K様   :「母や母の兄弟が亡くなった時はどうしていいかと思うぐらいに辛かったです。でも、だからと言って亡く
             なった人が生き返るわけではないので。」
 
スタッフ:これから私たちが生きていくにあたって、気をつけるべきことはありますか?
K様  :「やっぱり、自分が丈夫であること。自分が弱っていたんじゃ人を助けることができない。人は支えあって
             生きていくものですから。人のお世話にならないつもりでやっていても、世間の一緒の暮らしと言うのは、
             丈夫でいる人でもお世話になっているものだから。お互いに面倒を見てもらいながらうまく、仲良く役に
             立ちながら、自分も 世話になりながら自分も世話をしてあげられる人にならなければいけない。
             自分ばかり世話になっていればいいという考えではいけない。自分だって人の世話になって大きくなった
             のだから。
             そばにいる人と仲良く暮らせるということはいいことですよね。お互いに分かり合えば何にも言うことは
             ないんですけどね。私らも自分が元気でいるときは人の役に立ちたい。そばにいる人が仲良く暮らせる
             ように、そうしていくうちに仲良くやっていく。それができれば・・・」
 
 息子様にも、100歳を迎えられたお母様への想いを伺いました。
 
息子様 :「特別にこれはと言って大上段から振りかぶって言うことはないです。
            母親の元々の思いは、自分は丈 夫で長生きしたいと口癖のように言っていました。
            健康に良いということは何でもやってきた。健康法を紹介する雑誌を毎月買っていたし、テレビを
            観ている時でも竹筒を足で踏みながら観ていた。サプリメントとかも高いお金を出してまで買って
            飲んでいた。 目や耳は弱くなってきたが、丈夫で長生きしたいという執念はすごくある。
            だからその執念はまっとうさせてあげたいと思っている。外見は骨折して今でも通院していますが、
            内臓はすごく丈夫です。90歳を越え、骨折をしてからは自活できなくなってしまったので、それから
            施設を検討しそんぽの家さんにお世話になって今日に至るわけです。今の延長線上で、穏やかに
            苦痛を感じずに生きて行ってくれればそれでいい。母親がやりたいように、少しでも気の済むように
            サポートしてやりたいと思っています。
 
 

K.M様、このたびは100歳を迎えられ、おめでとうございます。M様はお歳を召されましてもとても謙虚でいらっしゃいます。いつも「○○してくださってありがとう」と深々と頭を下げてくださいます。「私何にも知らないから教えてね」と勉強熱心なお姿も見られるため、先日どうしてそんなに勉強熱心なのか伺ってみました。「私は百姓の家で育ちましたから、物事をちゃんと教わってこなかったので皆さんに失礼のないようにしなくちゃ」とおっしゃられていました。

今回のインタビューでも言われていましたが、「周りの方に迷惑をかけないように」と日々を過ごされていて、ご自身のこともよく理解しておられるのでいつまでも謙虚でいられるのだと感じました。ご家族様も遠方から毎月必ず来訪してくださり、M様が今までどう過ごされたかを訊ねると、M様との思い出を事細かに楽しそうに話してくださり、偉大なお母様であることがうかがえました。

私たちスタッフもM様からの教えを胸に刻み、よりよい生活を送っていただけるよう努めてまいりたいと思います。

 

 『一期一会 ~出会いに感謝~』 ■そんぽの家 仙台岩切   スタッフの声

◆そんぽの家 仙台岩切からご報告
 
 平成28年7月よりリスクマネジメント委員会の定期開催を中止し、毎週のカンファレンスの中で、
①発生してしまった事故に対する、発生要因の検討、事故再発防止策の検討、実施
②ヒヤリ・ハット事例を収集し、今後発生しうる事故を未然に防ぐ対策の検討、実施
③お客様からのご意見・ご要望から、よりよい生活のお手伝いの実現について検討、実施
を開始いたしました。これまで以上にサービスの質向上を目指して取組みを継続してまいります。何卒よろしくお願いいたします。
 
 
 今月のカンファレンスにおきましては、職員の接遇について見直し、転倒事故再発防止の検討、ご入居者様個々人の食事介助方法の検討を行っております。
 
 ①職員の接遇の見直しについて
サービスを提供させていただくに当たり、ご入居者様へのお声がけのあり方について話し合いを行いました。日々の生活に密着したサービスを提供させていただく中で、いかにご入居者様のお気持ちに沿ったお声がけをできるかを話し合いました。サービスの質向上を目指していく中で、まずは基本となるお客様へのお声がけから再度徹底してまいりたいと思います。
 
 ②転倒事故防止の検討について
転倒事故は発生していないものの、事故につながりそうな状況を確認した経緯があり、事故防止のために検討を実施しました。居室の環境整備、職員による車いすの確認等の対応を徹底し、事故防止に努めてまいります。
 
 ③ご入居者様個々人の食事介助方法の検討について
食事の際の姿勢は飲み込みに大きく影響すると考えられ、食事時の姿勢によって誤嚥製肺炎を生じさせてしまうことも考えられます。今回のカンファレンスにおいては、食事時の姿勢の援助について、食事介助者の座る位置について、その他目配りが必要な事柄について検討を実施いたしました。食事の楽しみをお手伝いさせていただくにあたり、誤嚥性肺炎の予防にも努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
 
 
 皆様のご意見、ご要望、ご指導からそんぽの家 仙台岩切のサービスの質を向上してまいります。今後とも、率直なご指導ご鞭撻を頂戴できますよう、何卒よろしくお願いいたします。
 
『初めての体験』 ■そんぽの家 福生公園  N.E様 K.S様 T.M様 K.S様 スタッフの声
 平成28年6月15日、AS外食として近くのジョナサン(ファミリーレストラン)に行きました。普段仲の良い方たちで、いつもはお部屋に集まってお話をしたりお茶をしたり、テレビを見たり・・・ご自分たちで楽しまれていましたが、ある会話の中で「一度外食もしたいわね」というお話をスタッフにいただきました。そこで、どこに行きたいか、いつ頃が良いかを話し合っていただきました。場所は近い方がいいな、なるべく早く行きたい・・・等の意見をいただいたので、スタッフより日時は6月15日、場所は近くのファミリーレストランを提案させていただきご了承いただきました。
 
 外食当日、仲が良い方同士で「楽しみね」と話されていました。お昼になり職員1名とご入居者様4名でジョナサンへ。いざ行くと雰囲気を楽しまれながらも戸惑われている様子がありました。「注文の仕方が分からないから、お願い」とおっしゃられたので、スタッフが主導で選ばせていただくという形になってしまいましたが、店内のドリンクバーを見た途端に「すごいね~」と興奮されていました。お食事は『ずわい蟹の雑炊膳』や『オムライス』を召し上がられ、もちろんドリンクバーもセットで注文され緑茶などを堪能されていました。
 
 
 
ご入居者様のお声
 
 「雑炊がとても美味しかった。全般(全部)楽しかった。向こうで飲んだお茶(ドリンクバーの緑茶)がここ(施設)のより美味しかった」 N・E様
 
 「こういう所に来たのは初めてで、頼み方や食べ方が分からないから皆さんと同じものを食べた。メニューを見てもよく分からなかったけど、職員さんが頼んでくれた雑炊は本当に美味しかったのよ。また連れて行って頂戴。こういう所は頭にもいいのよ。この雰囲気を味わうのがとても大事。ボケ防止にもなる。もっと色々な方を連れてらっしゃい。死ぬ前に体験ができて本当に良かった。」 K・S様
 
 「楽しかったよ。また連れて行ってくれる? ゴハン美味しかったもの。」 T・M様
 
 「おいしかった。全部食べれた。」 K・S様
 
 
 
スタッフの感想
 
 「皆様に好きなものをご注文していただきたかったですが、初めて経験されるため「作法も分から
 ず不安…」になられていましたので、でこちらがメニューをご提案する形になってしまいました。しかし店内の様子や装飾など何を見ても珍しがられ、皆様の目が輝いていました。特にドリンクバーのお茶(茶こし付きのコップ)には全員興奮されていたのが印象的でした。皆様の様子を拝見し、外食の機会は楽しみとなり得るのだと改めて認識しました。」
 
 
職員が心に残った言葉
 「あなたたちは慣れているからいろいろ分かるでしょうけど私たちは初めてだからわかないことがたくさんあるのよ」
 
 
【たかが外食されど外食】
 私たちでも初めての場所や最新の機器を扱う時は困ってしまいます。今回参加された皆様も、体調の不安よりも「分からないから行きたくても行けない」という思いが強かったのかもしれません。不安を少しでも減らせるように事前準備や写真などを利用しての説明を行いましたが、実際に体験していただくことの大切さを感じています。
 
【その後・・・】
 後日、廊下ですれ違うと外食に参加された方から「今度はいつ行こうかしら?」「息子と行こうかな」「次はお寿司を食べたい」「もう一人誘おうかな」と話していただきました。次への意欲として残っていらっしゃることがわかり、とてもうれしかったです。今後も「次回への実現」に向けて、働きかけていきたいと思います。
 
『倖せの行方』 ■そんぽの家 鴨宮  M様 ご入居者様の声
 私の座右の銘は「自分の倖せは自分の心が決める」でした。確かに終戦までは何不自由なく倖せといえる生活でした。しかし戦後は坂の上から転げ落ちる様に波乱万丈、夫のDVで離婚、長男を育てるのに必死でしたが、成人後失恋した息子はアルコール依存症で発癌し私を残して他界。気力もなくなりいろいろなことを考えましたが、せめて遺体献体をと慶応病院へ登録したのが五十の時です。それなのにこの7月2日で92歳になってしまいます。あの世からも見放されてしまったのでしょう。
 
 ここへお世話になって早いもので3年目、「私の倖せは自分の心が決める」というのも大分負け惜しみに近かったのですが、ここのスタッフの優しさにだんだん心が溶けて、自分の身は神様にお任せしようと思えるようになり、また、私のことを連れて帰りたいとまで言ってくださるスタッフもいて、今は本当に倖せです。
 
 私は今、小物作りに夢中になって取り組んでいます。もともと小物作りが好きだったせいか、自分でちょっとしたものを作る習慣は以前からありましたが、今は、お世話になっているスタッフの方々に、感謝の思いを込めて夢中になって小物作りを続けています。できあがったものをスタッフの皆様に喜んでもらえることが、今の私の最大の喜びです。ここを終の棲家と決めています。
 
 これから残された日々を、鴨宮のスタッフの皆様とともに生きていきます。どうぞ最後までお付き合いください。よろしくお願いいたします。
 

 M様はカラオケがお好きで、何度かご一緒させていただきました。選曲される歌はどれも情熱的で、それをさらに情熱的に歌われるM様の歌唱力には、いつも釘付けになっていました。おそらくカラオケで気持ちが通じたのでしょうか、その後、M様は少しずつ心を開いてくださり、ご自身について様々なお話をしてくださるようになりました。M様は、私には想像もつかないようなご苦労をされて、幾多の困難を乗り越えられ、今日まで生き抜いてこられたこと知りました。それでも現在のM様は、そんな苦難の時代をまったく感じさせない、いつも柔和な笑みを浮かべて毎日を過ごされています。
 
 M様は和紙人形の師範の資格を持っておられ、人生のある時期には、真剣にその道で生計を立てようとしておられたそうです。今生きがいとされている小物作りは、どれもしっかりと作りこまれた精緻な作品ばかりですが、M様が本当に作りたいのは和紙人形だと確信しています。現在M様のお部屋に飾られているいくつかの和紙人形を拝見していると、M様の秘められた情熱や繊細な心持ちがはっきりと伝わってきて、はっとさせられます。私は、是非M様に新しい和紙人形を制作してほしいと願っています。M様の情熱や繊細な心の機微は、いささかも錆びついてはおらず、もしM様が念願の和紙人形作りに挑戦していただけるならば、この鴨宮の土地で、その時間はさらに意義深く輝くものになると思うのです。そのためのお手伝いを、なんとしてでもしてさしあげたい、それが、私のM様に対する思いです。
 
 一介護士として、M様の生きがいを育む関係を築けるならば、これに勝る喜びはありません。M様の今ある思いを大切に、これからもできる限りのサポートをさせていただきます。どうか末永く、よろしくお願い申し上げます。
 
 
 
『第2の我が家』 ■そんぽの家 八尾中田  M.I 様  ご家族様 ご家族様の声
 義母は義父亡き後、そんぽの家 八尾中田へすぐに入居しました。「歳を重ねてから新しい環境に順応できるのかしら」という家族の心配をよそに、見事に楽しい日々を送りました。それは義母自身が、友人にそんぽの家への入居を薦める程の気に入り方でした。
 
 短歌が趣味だった義母は「孫のようなスタッフに見守られている」とか、「窓から花火を見て皆で歓声を上げた」など、歌に詠みこんでいました。行事にも積極的に参加し、心より楽しんでおりました。そして家族の私たちもそんぽの家の皆様から安心を与えていただいたおかげで、心穏やかに過すことができました。スタッフの皆様、本当に長い間ありがとうございました。
 
義母は安らかに義父の元へと、旅立ってほしいと思います。
 
(義母の無くなった日の夜に)
 

 今、目に浮かんできますのは、朗らかに笑われているM様のお姿ばかりです。音楽が大好きで、リズムに合わせて手拍子、足拍子、全身で表現され、歌を歌っておられるM様。桜の咲くころ、玉串川へお散歩に行き「きれいね。きれいね。」とつぶやき喜ばれているM様。他のご入居者様と、楽しそうに談笑されているM様。楽しかった思い出は尽きることがございません。きっと今も、優しい笑顔で空から私たちを見守ってくださっていることでしょう。心からご冥福をお祈りいたします。
 
スタッフ/T.Y
 
 
 
『愛猫との思い出』 ■そんぽの家 伊勢原  E.T様 ご家族様の声
 ある寒い朝、庭の枯草の中にうずくまっている子猫が捨てられていました。抱き上げると白黒の、以前飼っていたミーによく似ているではありませんか。「ミーが戻ってきてくれたのでは?」と驚きました。家に入れ温めてあげますと、か細い声でただいまと泣いたような気がして、2代目としてミミと名を付けました。14年離れることのできない仲になって、たくさんの癒しと笑いをいただくことができました。
 
 昨年2月ごろに体調を崩したことで、一人での生活は無理では?と考えましたが、猫と別れることができずに困り、民生委員に相談しましたら、ペットが飼える施設があると言われ、ここそんぽの家 伊勢原へお世話になることに決めて、早速入居しました。
 
 動物好きの施設長をはじめ、優しいスタッフの皆様と幸せな生活を送っておりましたが、7月頃より餌を残すようになり、心配して病院に連れて行きますと、環境によるストレスとのことでしたが、その後も元気を取り戻すことはありませんでした。病院を変えたところ、癌と宣告され、苦痛だけは取ってくださいと、ただただ神様に祈るばかりでした。
 
 毎日病院に行きましたが、その甲斐もなく8月12日に静かに息を引き取りました。きっと天国の星になってしまったのでしょう。その翌朝、スタッフの皆様にお忙しい中をお見送りしていただき、ミミも喜んでいることと思います。きっと七沢のメモリーパークより皆様のご健康とお幸せを願っていることでしょう。
 
  ・愛猫の愛想よくて梅日和
  ・濡縁に日向の匂う猫を抱き
  ・病む猫の吐息かそけき夜の秋
  ・愛猫の軽き屍や炎暑坂
  ・儚さの定めなりしか梅雨しどろ
 

 E様は平成27年2月頃に体調を崩されました。将来のことを考えて飼っている愛猫と住める老人ホームを探されていたところ、民生委員さんよりそんぽの家 伊勢原を紹介され、4月9日にご入居されました。
 
 環境の変化に戸惑われながらも愛猫のミミちゃんと大奮闘の日々。ミミちゃんとの生活もようやく落ち着いてこられた矢先、8月12日にミミちゃんは14年間の人生に幕を閉じられました。E様は「ミミちゃんは天国の星になったのよ、やるだけのことはやってあげたわよね、いいわよね」とご自身を諭すように、私にお話をされていました。
 
 E様の生活の中には「見ている人に喜んでもらいたいから」と手がけられた菜園があります。その菜園ではトマトときゅうりが見事なまでになっています。「七夕の短冊にね、みんなの幸せと自分の健康をミミちゃんにお願いしちゃったの。ちょっと荷が重くなっちゃったかしら」と笑いながらお話しくださいました。
 
 E様、これからも歳を重ねていくことの素晴らしさを私たちに教えてください。E様は私たちそんぽの家 伊勢原の太陽です。
 

 

『「普通」がいちばん』 ■そんぽの家 相模大野  スタッフ /Y.S ご入居者様の作品

【作品】

 今回、この作品を作成された方は平成27年12月1日にご入居されました。認知症、うつ病を患い、認知症治療のため入院されていましたが、退院の運びとなりご入居となりました。ご入居当初はご主人様を亡くされたばかりで(ご主人様もここ相模大野でお看取りをしました)、「主人はここで亡くなったんでしょ?」と話され、認識はされたものの認知症の影響から「主人の記憶がない。若い頃の主人から、この写真ではいきなり年を取っているの。」とおっしゃられ、毎日のように泣いて事務所にいらっしゃる日々が続いていました。
 
 ご本人様とお話しする中で、若い頃から働き者で、お仕事も家事も一生懸命担ってこられたこと、じっとしていることがお好きではなく、お花や裁縫など忙しい合間をぬって習いに行かれていたことなど、ご本人様にとっての「普通の生活」が分かってきました。「何かやる事がないと変になりそう」「何か仕事はない?」とお声をかけてくださり、「何か興味をもたれるような手芸等はないか」とスタッフ間で相談していたところ、下記の写真のような人形の作り方を知っていたスタッフがおり、試しにお誘いしてみようということになりました。 
 
 人形は、長方形の紙を折って、小さな三角形のパーツを作り、ブロックの要領でパーツを重ねていくと出来上がります。手始めに長方形の紙はスタッフが作り、ご本人様には紙をすべて半分に折っていただくことから始めました。折り方の工程をすぐに覚えることが難しかったためです。最初のうちはご自身で積極的にされるというより「皆さんのお役に立てるなら」という感じでしたが、次第に「全部半分に折ったけど、次はどう折るの?」、完成したパーツを見られると「こんなにたくさん折ってどういう風になるの?」とご興味を持たれるようになられました。
 
 折り方は手作りで見本を作り、スタッフに聞かなくても折れるように工夫をし、最終的には見本を見ずに折ることができるほどになられました。組み立ては複雑だったため、スタッフが行いましたが、最初に完成した人形を見られて、「私が折ったものがこういう風になるのね」と喜んでくださり、それからは1日の大半を折り紙をして過ごされるようになりました。その頃には泣いていらっしゃることはほとんどなくなり、落ち着いた生活を送れるようになっていました。
 
 現在は、体調を崩し入院されましたので作業はできませんが、病室には一緒に作った人形を飾ってくださっています。
 
 
『俳句』 ■そんぽの家 大宮見沼  O.N様 ・ ペンネーム/好日子様 ご入居者様の作品
【O様の作品】
 
◆七夕
・七夕様 ひとみにあかりを 祈ります
・雨あがり 光まばゆい ゆりの花
・夕やみに なやみ果てなし 月見草
◆恋文
・すきな人 むかへにくると云ったのに
・花ふぶき いそいで帰ると いった人
・花ぐもり ぬれないうちに おしぐるま
O.N
 
 
 
【好日子様の作品】
 
前略、そんぽの家 大宮見沼、句会の近況をお知らせします。
96歳のNさんが恋の歌を連発するので、私も負けてはいかんと思い、作っています。
 
 ・さくらんぼ 小さな恋をしています
 ・とまらない 本気で好きだ 土用波
    ※土用というのは土用の丑の日の土用。7月の終わりから8月のはじめ頃のことで、
この頃になると、晴れて風もないのに波だけ高くなる現象が起きます。
 ・サングラス 彼女は今日はいい女
 ・代えるなき想い 静かに麦熟れる
 ◆ドジョウ
 ・ひさしぶり 話ははずむ どじょう鍋
  ・藤椅子や 有吉佐和子 よみふける
 ・川開き はじめてにぎる あの娘の手
好日子
 
 句会も7月で9か月目に入ります。「継続は力なりとぞ夾竹桃(きょうちくとう)」皆様お元気で草々
 

 普段、O様は視力障害の影響もあり、居室で好きな「オセロ」の戦略を立てながら相手を求めていらっしゃる方です。当方スタッフも熱戦?舌戦?壮絶な戦いの果てに敗北を喫したスタッフも…。

 さて、オセロと並びご趣味とされているのが「俳句」で、「句会」には積極的に参加されております。若い頃、俳句の師匠と出会い、ご教示していただいたそうです。俳句に「味を出す・幅を広げる・深みを出す・広がりをもたせる」などと言われ、正直なところ「何を言っているんだ、この人は?」と感じられたそうです(笑)。
 
 幾度となく俳句を詠まれても「五・七・五」で全てを表現し、感受したものを詰め込むのは非常に難しいとしながらも「そこもまた楽しみの一つ」と仰っておりました。
 
 これからもO様・ご入居者様が笑顔でいられる環境を提供し続けていきたいと思います。
 

 

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